さいたま市の『大宮盆栽村』ってどんなとこ?
というわけで今回は、大宮盆栽村について調べてみました。
はい、全国の地方都市60カ所以上を実際に飛び回って磨いた好奇心アンテナを持つ「ことばと」がお伝えします。最後までよろしくお願いします。
まずは予告編の紹介文です。
さいたま市に盆栽の聖地と呼ばれる場所がある。盆栽園が6つ集まる一帯、通称「大宮盆栽村」。初心者向けの千円ほどのものから、値段のつけられない樹齢数百年の逸品まで、ひとつとして同じ盆栽はない。人々は思い思いにはさみを入れ、枝ぶりを整えていく。桜の鉢を愛おしそうに抱く小学生。亡き義父から譲り受けた盆栽を育てる女性。若くして盆栽園主となった男性。みんな盆栽と向き合いながら、何を見つめているのだろう。
https://www.nhk.jp/p/72hours/ts/W3W8WRN8M3/episode/te/DWGR5KK8KL/
『ドキュメント72時間』で紹介されたのは、『大宮盆栽村』。
2025年6月20日(金)夜10時、NHK『ドキュメント72時間』は「鉢の中の小さな宇宙」と題し、埼玉県さいたま市北区・大宮盆栽村を特集しました。ここは日本でも数少ない盆栽専門のエリア。現在も6つの盆栽園が集まっており、静かな町並みの中に、盆栽愛好家の聖地と呼ぶにふさわしい空気が流れています。
番組では、新緑の季節に訪れた人々と、園主たちの日常が丁寧に描かれていました。男性は黙々と枝を剪定し、女性は苔に水をかける。若い職人は日差しの中で葉の向きを確認する。みんな、自分なりの感性や経験を重ねながら、一鉢一鉢と向き合っている。ただ美しく整えるだけでなく、「この木はどう生きてきたのか」「これからどう育てていくのか」を考えて手を入れる。そんな風景が印象的でした。
園内には、短く刈り込まれた松、枝ぶりの美しい楓、白い花をつけた桜など、個性豊かな盆栽がずらり。それぞれに物語が宿っているようで、見ているだけで心が落ち着きます。常連客や家族連れ、観光で立ち寄った人たちも、静かな時間の中で木を見つめ、自然と笑顔になる。盆栽村は、観光名所というより、人と自然が寄り添う特別な場所なんですね。
【ドキュメント72時間】大宮盆栽村の歴史~100年の物語
大宮盆栽村が誕生したのは1925年。関東大震災で被災した東京の盆栽職人たちが、交通の便が良く、空気と土壌・水が盆栽栽培に最適だった大宮へ移住し、集落を形成したのが始まりです。最盛期の1935年には約30軒もの盆栽園が並び、盆栽愛好家たちの交流の場として賑わいました。
この村には、今も守られている住民協約があります。
①盆栽を10鉢以上持つ
②日陰を作るような二階家は作らない
③門戸を開放しておく
④池の囲いはすべて生垣にする
こうした約束事が、独特の雰囲気を生み出しているのかもしれません。もみじ通り、かえで通り、さくら通り……通りの名前にも木々の名前がそのまま使われている、なんとも粋な演出。
現在は6園が営業を続け、盆栽展示のほか、教室や制作体験も充実。各園とも原則無料で見学でき、四季折々の木々の表情が訪れる人の心を癒してくれます。
2010年には日本初の公立盆栽専門美術館「さいたま市大宮盆栽美術館」が開館。館内には樹齢450年以上の黒松や、樹齢150年の八重寒紅梅、樹齢300年の真柏など、約80種類の名品が展示されています。館内の休憩・体験施設「盆栽四季の家」では、ゆっくり盆栽文化に触れられるのも魅力。
2025年は開村100周年という節目の年で、美術館では特別イベントやプロモーションが多数展開されています。
大宮盆栽村には、それぞれ個性豊かな盆栽園が点在しています。
- 清香園(せいこうえん)
嘉永年間創業の老舗。江戸時代から続く「彩花盆栽教室」を運営し、初心者にも親切なワークショップが人気。園内は観覧無料で、植竹小学校の盆栽クラブも指導しています。 - 藤樹園(とうじゅえん)
1931年創業。松柏盆栽を主に扱い、中品以下の盆栽に特化。国風盆栽展で多数入選実績あり。盆栽教室は初心者から上級者まで幅広く受け入れ、職人の気さくな指導が好評です。 - 芙蓉園(ふようえん)
1939年以降、雑木盆栽や花実もの、寄せ植えの名園として知られ、国風盆栽展で国風賞を受賞。園内は雑木盆栽が整然と並び、四季の変化が楽しめます。 - 蔓青園(まんせいえん)
5代続く老舗。力強く堂々とした中品・小品盆栽が特徴で、掛軸や床の間の装飾とともに盆栽鑑賞が楽しめます。静かに盆栽と向き合いたい人におすすめ。 - 九霞園(きゅうかえん)
皇室や政財界要人の盆栽も手がけてきた格式ある名園。針金整形をしない手法で、400種以上の希少品種を育成。ヒトツバタゴやフェイジョアなど、個性的な盆栽が充実しています。 - 松雪園(しょうせつえん)
1977年開園。「雪を思わせる美」を盆栽に表現し、四季折々の景観が魅力。陶芸会館と連携した盆栽教室も人気です。
各園とも、無料で見学できるだけでなく、盆栽教室やワークショップ、購入も可能。初心者から愛好家まで、それぞれの楽しみ方ができます。
さいたま市大宮盆栽美術館~盆栽を深く知る
盆栽村の散策だけでは物足りない!という方には、「さいたま市大宮盆栽美術館」がおすすめです。2010年に開館した日本初の公立盆栽専門美術館で、常時約80種類の貴重な名品が展示されています。
中でも圧巻なのが、樹齢450年以上の黒松「日暮」。江戸時代からの盆栽ですよ?徳川家康が「あ、この盆栽いいな」と思ったかもしれない木を、現代に生きるわたしたちが見られるなんて不思議な感覚です。歴史の教科書に載っている人物たちと同じ時代を生きてきた「生きた文化財」と言っても過言ではありません。
観覧料も一般310円、高校生・大学生・65歳以上150円、小学生・中学生100円とリーズナブル。数百年の歴史と芸術に触れられるんですから、かなりのコスパです。
アクセスなど、詳細はこちら👇
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大宮盆栽村の魅力をまとめると
盆栽村を訪れて感じたのは、「小さな鉢の中に広がる宇宙」という番組タイトルの言葉がぴったりだということ。盆栽は単なる「小さい木」ではなく、時間と空間を凝縮した芸術であり、生命体です。
- 100年の歴史を持つ盆栽村は、2025年に開村100周年を迎える
- 6つの個性的な盆栽園があり、それぞれ異なる魅力を持つ
- 初心者から上級者まで楽しめる体験やワークショップが充実
- さいたま市大宮盆栽美術館では貴重な名品盆栽を鑑賞できる
- 東京からも日帰りで訪れやすい立地
『ドキュメント72時間』で描かれていた訪問者の表情が印象的でした。盆栽を見つめる人々の目は、スマホ画面を見る時とはまったく違う「本物の集中」に満ちていました。小さな鉢の前でじっと息を潜める時間。それは忙しない日常から切り離された、貴重な「自分と向き合う時間」なのかもしれません。
ありがとうございました。
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