テクノポップユニットPerfumeが9月21日、「コールドスリープ」という形での活動休止を発表しました。
一時は「解散か？」とファンをヒヤリとさせた告知でしたが、蓋を開けてみれば実にPerfumeらしい潔さと未来志向の宣言でした。
25年間休みなく走り続けた3人が選んだ「休息」とは何なのか。単なるお休み宣言ではない、Perfumeの決断の真相と今後の展望について掘り下げてみましょう。
もくじ
「コールドスリープ」という粋な表現に込められた本音
SF好きならニヤリとする言葉選び
「コールドスリープ」という言葉選びに、思わずニヤリとしてしまった方も多いのではないでしょうか。宇宙船での長距離移動時に搭乗員の老化を防ぐために体を低温保存する技術——エンタメ好きなら一度は映画やアニメで見たことがある概念ですよね。
活動休止を「解散」でも「一時休止」でもなく「コールドスリープ」と表現するセンス。これぞPerfumeらしい洗練された言葉選びです。ある意味、最後まで「テクノポップユニット」としての一貫性を貫いた粋な演出ともいえるでしょう。
「休息」と「凍結保存」の二重の意味
実はこの「コールドスリープ」という言葉には、単に「お休み」するだけでなく、「今のベストな状態を保存する」という意味合いも含まれています。公式発表にあった「輝いている私たちを歴史に残すこと」という一節。これは「今がピークだから」というよりも、「このPerfumeという形態を最良の状態で保存しておきたい」という意志表明なのでしょう。
「一度も休まずずっとPerfumeを続けてきた」という言葉が胸に刺さります。25年間、休むことなく走り続けてきた3人。どんな仕事でも25年間無休で続ければ、ある種の疲労や惰性が生まれるものです。それをPerfumeは認めず、前向きな「一旦凍結」という形で潔く区切りをつけた。この決断力、実はものすごくカッコいいと思いませんか？
伏線は張られていた？MVと楽曲に込められた意図
『巡ループ』MVの”意味深”な展開
実は今回の発表、ある程度の「伏線」が張られていたんですよ。7月にリリースされた『巡ループ』のMVをご覧になった方はお気づきかもしれませんが、あのMVの内容が今回の発表を暗示していたと言われています。
荒廃した未来世界で戦い続けた3人が、最後には平和な世界で女子高生として再スタートを切り、しかもデビュー曲『リニアモーターガール』の振り付けをする——。今にして思えば、「一度終わらせて、原点に立ち返り、新しい形で再スタートする」というメッセージが込められていたのかもしれません。
業界の人間なら「そうか、これは活動休止の伏線だったのか」と気づいた方もいたのでは？でも、あえて大々的に発表せず、ファンに「気づいてほしい」という粋な計らいだったのかもしれませんね。
「巡ループ」というタイトルの二重性
そもそも「巡ループ」というタイトル自体が、「一周して戻ってくる」という意味を持っています。「ループ」、つまり「また元の場所に戻ってくる」という意味と、「巡る」という漢字が示す「一巡して次のステージへ」という意味の二重構造。
実にPerfumeらしい、言葉遊びを超えた深い意味が込められたタイトルだったんですね。今回の発表を受けて改めて聴くと、「ああ、これは活動休止と再始動のメタファーだったのか」と感慨深くなります。
ことばと
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