『ヒュッテ・ヤレン』ってどんなとこ?
場所は?見学できる?
気になりますよね、蔵王『ヒュッテ・ヤレン』。場所はどこにあるんでしょう?さぁ、あなたの好奇心を満たしますよー!
はい、というわけで今回も、全国の地方都市60カ所以上を実際に飛び回って磨いた好奇心アンテナを持つ「ことばと」がお伝えします。最後までよろしくお願いします。
【ブラタモリ】今回は蔵王へ!温泉と樹氷の雪国リゾート
NHK「ブラタモリ」11月1日放送では、タモリさんが山形・蔵王温泉を訪れました。蔵王といえば、エメラルドグリーンの御釜、湯けむり立ち上る温泉街、そして冬の神秘「樹氷」が有名ですよね。番組ではタモリさんが絶賛した強酸性の温泉や、火山活動が生み出した絶景の秘密に迫りました。
タモリさんも「蔵王は初めて来ました。江戸時代に大ブームを起こしたそうなんですが、その時代に生きていたら、絶対に来ていますね」とコメント。歴史ある温泉地の魅力って、時代を超えて人を惹きつけるんですよね。
【ブラタモリ】が紹介した「ヒュッテ・ヤレン」—白洲次郎の美学が宿る山荘
白洲次郎って、どんな人だったの?
まず前提として、白洲次郎について少し。吉田茂元首相の側近として終戦から占領期に活躍した実業家で、GHQとの交渉では一歩も引かない姿勢を貫いた人物です。その凛とした佇まいと確固たる美学から、今でも全国にファンが多く、伝記やテレビ番組でたびたび特集されています。
昭和26年(1951年)、49歳で東北電力会長に就任した白洲次郎は、仕事で山形支店を訪れた際に蔵王の雪質と環境に惚れ込みました。スキーが得意だった彼は、上の台ゲレンデ近くに二階建ての山荘を建設。それが「ヒュッテ・ヤレン」です。
「ヒュッテ・ヤレン」の名前の由来が、最高すぎる
この山荘の名前の由来が、もう完璧なんです。「スキーはなかなかうまくやれん(やれない)」という自虐ネタを、ドイツ語の「ヒュッテ(山小屋)」に掛けて命名したとか。稀代の交渉人が、こんなユーモアのセンスを持っていたなんて。これ、聞いた瞬間に白洲次郎という人物が一気に身近に感じられませんか?
実はここ、志賀高原に建てた初代に続く2代目の「ヒュッテ・ヤレン」。電力関係者らしく、当時としては最新の電化設備を備えた冬の山小屋だったそうです。
白洲次郎が描いた蔵王の未来
長女の桂子さんの回想によると、蔵王では毎日ソリに乗って温泉街まで買い出しに出かけ、帰りはジャンケンで負けた方がソリを引いたそう。ただし、桂子さんが負けたときは「父と荷物を乗せるとピクともせず、いつしかジャンケンは消滅してしまいました」とのこと。微笑ましいエピソードですね。
白洲次郎は蔵王を「東洋のサンモリッツ(スイスの有名なスキーリゾート)にしよう!」と提言し、道路の拡張や舗装、駐車場の充実、そして山岳ロープウェイの設置を推進。樹氷を全世界に宣伝すべきだと主張したそうです。現在、台湾やオーストラリアなど世界中から観光客が訪れる蔵王温泉スキー場の姿は、まさに彼が夢見た未来そのものかもしれませんね。
山荘の佇まいに宿る「無駄を省いた美学」
2階建ての山荘は、1階がスキー用具置場や乾燥室、2階には2段ベッドとタンスがある部屋が3部屋と、廊下を挟んで風呂とトイレがあります。規模は大きくありませんが、オープンキッチンやバーカウンターなど、随所に白洲次郎らしい「格好良さ」が息づいているんです。
二重窓、高窓、雨戸といった雪国仕様の設備も完備。スキーが終わった後、大好きなウイスキーを傾けながら蔵王の静寂に身を委ねる白洲次郎の姿が目に浮かびます。これはもう、都会の喧騒から離れて「心を整える場所」として機能していたんでしょうね。
現在は外観のみ一般に公開されていますが、その質素ながらも美しい建築美は、今も静かに当時の息づかいを伝えています。
タモリさんのとなりにいるのは、NHK佐藤茉那アナです。👇

まとめ【ブラタモリ】「ヒュッテ・ヤレン」でタイムスリップ
「ブラタモリ」の蔵王回を見て、私が最も心惹かれたのは、この「ヒュッテ・ヤレン」でした。建物そのものの価値ももちろんですが、その名前に込められたユーモアや、白洲次郎という人物の粋な生き方にも魅了されました。
- 「スキーはひゅっとうまくやれん」という自虐ネタを堂々と家の名前にするセンス
- 質素ながらも美意識を貫いた洗練された山荘の佇まい
- 蔵王を「東洋のサンモリッツ」にしようという先見性
- 普段は激務の実業家も、この山荘では素朴な家族との時間を過ごした
歴史上の人物の足跡をたどることで、その人となりや生き方、そして場所の持つ意味をより深く感じられるのも、「ブラタモリ」の魅力ですね。
ありがとうございました。
『ヒュッテ・ヤレン』の基本情報とアクセスは?
「ヒュッテ・ヤレン」は現在も蔵王温泉内の上の台に残っており、外観のみ一般公開されています(内部は通常非公開)。
- 住所:山形県山形市蔵王温泉760-12
- 問い合わせ:蔵王温泉観光協会(023-694-9328)
- アクセス:蔵王温泉スキー場の上の台ゲレンデ近く
- 注意点:外観見学のみ可能、内部は特別な機会以外は非公開


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